ー特別講演ー　医療機器におけるサイバーセキュリティ

プログラム内容

今回は、特別講演として一般社団法人 日本画像医療システム工業会 （JIRA）の産業戦略室シニアリサーチャー　中里　俊章氏をお招きし、医療機器のサイバーセキュリティについて解説いただきます。
医療分野における情報化・ネットワーク化が進展し、医療機関等で高度にIoT（Internet of Things）化して使用される医療機器においては、サイバー攻撃により発生する医療機器の不具合が患者の健康被害に直接つながる可能性があるため、そのサイバーセキュリティ対策は重要な課題となっており、医療機関、製造販売業者（以下、製販業者という）等全てのステークホルダーが連携して取組む必要があります。
我が国でも医療法施行規則の改正や、「安全管理ガイドライン」の継続的改定等に加え、医療機器の製販業者は、サイバーセキュリティに関して、医薬品医療機器等法に紐づく基本要件基準改正及び関連する通知への適合によって、医療機器の安全性を確保し、患者の安全の視点から医療機関のサイバーセキュリティ対策を支援する取組の実施が求められています。一方で、製販業者から医療機関への医療機器のサイバーリスク等の情報共有、サイバーセキュリティに関する保守計画の提示が十分に行われていない等の指摘も多く、そのサイバーセキュリティ対応の浸透度は高いとは言えません。
本稿では、製販業者が、これらの規制の要求事項を考慮した上で、医療機器の安全性確保のために実施するサイバーセキュリティ対策及び情報共有による医療機関との連携、そのために取り組むべき組織作り等を中心に考えてみましょう。

キーワード：
ソフトウェア開発ライフサイクル／IEC 62304 Ed1.1
ソフトウェア製品／IEC 82304-1
サイバーリスクを含むリスクマネジメント／ISO 14971 Ed3
医療機器のユーザビリティ／IEC 62366-1A1
医療機器のサイバーセキュリティ／IEC 81001-5-1

聴講対象者/このような方にオススメ

1. 医療機器メーカーの設計・開発者・品質保証・販売保守

会社概要

一般社団法人　日本画像医療システム工業会は、医療用の放射線機器及びこれに関連する機器、附属品等に関する標準化の推進、品質・安全の確保、技術の向上等を図ることにより、放射線機器産業の健全な発展と国民の健康の増進に寄与することを目的として設立されました。会員には国内外の医療用放射線機器関連の製造業、輸入業及び販売業と広範な分野から約185社の企業が参加しており、部会組織を中心に国際事項を含め活発な事業を展開しています。

プレゼンター

一般社団法人　日本画像医療システム工業会　産業戦略室　シニアリサーチャー　中里　俊章

中里　俊章

1982年　慶応義塾大学工学部電気学科卒業
1982年　東芝メディカルシステムズ株式会社
2013年　一般財団法人日本品質保証機構（JQA）
2015年　独立行政法人医薬品医療機器総合機構（PMDA）
2018年　キヤノンメディカルシステムズ株式会社
2024年　一般社団法人 日本画像医療システム工業会（JIRA）