2023.04.20
第11回 「Medtec イノベーション大賞」 発表 アイリス株式会社による日本初のAI 医療機器「nodoca」が大賞受賞
医療機器の製造・設計において優れた成果を上げた日本企業を表彰する第11回「 MEDTECイノベーション大賞」が決定した。
大賞は、アイリス株式会社の日本初のAI 医療機器「nodoca」が受賞した。
日本初のAI医療機器「nodoca」
nodocaは、『産官学の叡智を集約した純国産の AI』・『新医療機器かつ保険適用 』・『単一の医療機器として ハードウェアとAIを組み合わせた数少ない品目』といった特徴を有しています。 臨床現場で、今冬( 2022年12月)よりインフルエンザ診断に活用されています 。従来のAI医療機器の多くが、大学病院や先端医療機関を対象としていたところ、 nodocaの主な活用現場は 開業医であり町の診療所 です。AI医療機器の裾野が全国に広がることを願い開発・上市しています。
本品は AUC 89% と、インフルエンザの判定において既存検査法に劣らぬ判定精度を有しています。アイリスは、世界で唯一の大規模咽頭画像データセットを収集し、感染症ごとに異なる口腔内の炎症パターンを識別することに成功しました。このデータセットは、日本国内で、のべ100以上の医療機関が参加する臨床研究(特定臨床研究)によって収集された、約50万枚以上の咽頭画像から構成されています。 nodocaの特徴は、下記2点です。
① 既存検査法(イムノクロマト法)と比較して、特に 発症後早期の感度 が高い傾向にあり、また 上市後も継続的な精度向上が見込まれる こと。既存検査法の実臨床での感度は、手技のバラツキや患者の協力が得られるかによって大きく上下し、直近のメタアナリシス 3編では、いずれも 50-60%台と報告されています。 nodocaの感度は76%であり、また、特に患者の発症後早期において高い傾向にあります。上市後も撮影ごとに咽頭画像が収集されるため、定期的な精度向上のアップデートを薬事的に行う予定です。
② 秒単位での迅速な判定と、非侵襲性
AI判定にかかる時間は 10秒程度であり、患者さんに待合室へお戻り頂く必要なくその場で検査結果を伝えられます。
狭い鼻咽腔に綿棒を挿入することもないため 非侵襲的で痛みがほぼなく 、また、くしゃみ反射・せき反射が出ないことから診察室内の飛沫飛散を減ずる効果が期待されます。
賞名 | 受賞企業名 |
大賞 | アイリス株式会社 |
優秀賞 | 奈良精工株式会社 |
チャレンジ賞 | 高島産業株式会社 |
チャレンジ賞 | 株式会社 HACARUS |
努力賞 | 株式会社 ユニオンシンク |
期待賞 | 株式会社 eP |