2025.04.10
第13回 「Medtec イノベーション大賞」 発表 ゼオンメディカル株式会社 大賞受賞
第13 回「Medtec イノベーション大賞」ノミネート企業
授賞名 | 企業名 |
Medtec大賞 | ゼオンメディカル株式会社 |
優秀賞 | 野村ユニソン株式会社 |
技術賞 | ASTI株式会社 |
アイデア賞 | 栃木精工株式会社 |
期待賞 | カーブジェン株式会社 |
努力賞 | ファミリー・サービス・エイコー株式会社 |
ゼオンメディカル株式会社・・・Medtec大賞
■会社概要
ゼオンメディカル株式会社は、1970年代からの人工腎臓、続いて補助人工心臓の研究を行っていた日本ゼオン株式会社の医療事業を継承して、1989年に該社100%出資の子会社として設立されました。以後、主に循環器系、消化器系の医療機器の開発・製造・販売を行う国産メーカーとして事業拡大に努めてまいりました。
医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、当社は常に安全第一で操業に取り組み、『for the patients』を判断の拠り所として、人々の生活の質向上を目指します。
■製品の特長
・カテーテル内腔に通した駆動ワイヤにより、カテーテル先端部を2方向に屈曲させることができる。
・屈曲部の素材にePTFE※を使用したことで、カテーテル先端付近での急峻な屈曲と内腔確保を実現した。PTFE部とePTFE部は段差のないスムースな切り替わりとなっている。
※ePTFE:人工血管にも採用されている耐キンク性に優れた素材
・カテーテル先端付近での急峻な屈曲により、特に管が細く蛇行した肝内胆管のような部位でガイドワイヤの選択的挿入をサポートする。

野村ユニソン株式会社・・・優秀賞
■会社概要
・FA関連装置設計・製造(液晶/半導体/車関連等)、
・産業用/生活関連ロボット開発・製造、各種金型設計・製作、
・精密熱間中空鍛造、各種ダイカスト、流体制御、駆動装置、
・各種板金・溶接加工、環境関連機器、医療用機器、
・自社開発製品設計・製造、輸入洋酒販売
■製品の特長
外科手術に必要な、持針器、鉗子、剪刀につき、Drの意見をもとにマイクロサージャリーや、キーホール手術、内視鏡下手術に特化した、従来品とは全く異なる独自構造を生み出し、それぞれ回転型術具として製品化に成功しました。
従来の製品は以下の様な構造で、基本的に先端を回転させる動作は術者の指、手、腕の動きによる総合的な技能に頼る必要があります。
これに対し弊社の回転型術具は以下の様な構造で、親指と人差指のみで先端を回転および開閉することが 可能であり、さらに中指と手掌で支える構造のため、精密さが要求されるマイクロサージャリーや、動きが制約されるキーホール手術、深部手術、内視鏡下手術等に圧倒的優位性を発揮します。
開発期間は持針器の開発開始から剪刀の開発終了まで。販売開始期間は持針器の販売開始から剪刀の販売開始までを記入しました。

ASTI株式会社・・・技術賞
■会社概要
・従業員約4,000名(連結)
・静岡県西部地域に国内5拠点、海外に8拠点(子会社)
・ISO9001、ISO14001、ISO13485、IATF16949認証取得
・主力事業:車載電装品や民生産業機器、ワイヤーハーネス製品の受託製造・販売
・新規事業:医療機器製品やパワーエレクトロニクス、超音波製品等の自社製品の設計・製造・販売
■製品の特長
【応募製品】医療機器承認初取得35Gφ0.16極細注射針と独自シリンジによるローデッド注射システム
技術開発の期間 2020年1月~2023年12月 販売開始時期 2022年 9月~2024年2月
【製品概要及び特長】
①ローデッド注射針 *商品名:ZELOSTATニードル
・両刃加工した針管を用い、弾性体を注射針の針基内に実装することでデッドスペースを大幅に削減。
・弾性体の弾性クッションにより一般的なルアーロックシリンジと確実な接続が可能。
・針管外径0.16mm極細注射針35G(ゲージ)の単回使用注射用針としては、2024年11月に国内初(当社
調べ)の医療機器承認を取得(承認番号30600BZX00225000)。
・針が細くなると本来注入抵抗が増すが、既存品より20%以上、針管を肉薄にして内径を大きくすること
で抵抗を抑えた。
・コロナワクチン用の25Gや皮下注射用31G、34Gも同じローデッドタイプとしてラインナップ。
・31G及び34Gは、眼科用針としても2024年9月に医療機器認証取得(認証番号306AABZX00048000)。
・硝子体注射等に用いる眼科用針は30G(φ0.3)が一般的であり、さらに細く低侵襲化を図った。
②ローデッドシリンジ *商品名:ZELOSTAT (ゼロスタット)シリンジ
・1mLルアーロックシリンジ
・ガスケット形状の工夫により、薬液がシリンジ内にほぼ残らない(ローデッド)。
・高透明なバレルにより中味が視認しやすい
・容量数値が目盛の両側にあるため、使用時に薬液量が視認しやすい
・高剛性な素材及び形状のため、高粘性液体でも安定した注入が可能
③ZELOSTATニードル + ZELOSTATシリンジを用いたローデッド注射システム
・例えば、コロナワクチン注射に使われる一般的な25G注射針に、一般的なシリンジを接続して注射を
行った場合、およそ60μℓ程度の薬剤残りが生じる(当社調べ)。
・本注射システムを用いれば、薬液残りを約1/4以下に低減でき、およそ6回の注射で1回分のコロナワク
チン(300μℓ)のムダを低減できる。
・製品名のZELOSTATには、薬剤Lossをゼロにする意味を込める。

栃木精工株式会社・・・アイデア賞
■会社概要
栃木精工株式会社は、1948年の創立以来、「創意・誠意・熱意」を社訓として掲げ、社会に必要とされる製品の開発、技術の研鑽に日々精進しております。
①国内シェア約5割を誇る歯科用麻酔針をはじめとする、注射針やカテーテル等の管状の製品や、優れた操作性と強力な耐久性を持つブラシ関連製品などの、多様な医療機器の製造販売及び製造、ISO11607に準拠した包装、EOG滅菌受託②注射針用ステンレスパイプ、OA用精密パイプ、分析機用精密パイプなどの鋼管加工・製造、③特殊な磁性を持つ合金材パーマロイ・純鉄(SUY)製品の製造が当社の事業の中心です。
当社は、医療機器や産業用途の重要な部品など、人々の命や健康を守り日々の暮らしを豊かにする“地味にいい”モノを提供し続ける“地味にいい(JIMINIE®)”会社を目指しています。
■製品の特長
~カテーテルを挿入しない低侵襲性喀痰吸引法「バキューミング」による気道クリアランス革命~
患者の苦痛・気道損傷・出血のリスクを軽減することに加え、医療従事者・介護者の負担軽減が期待される喀痰吸引用チップとして、「再使用可能な汎用吸引チップ:スプタバキューマー(鼻用)」を開発いたしました。
本品は、臨床医でありながら臨床現場の課題を解決するために医療機器開発を行っている石北直之医師が着想、共同で開発・設計した後に現在製造及び製造販売を行っているクラスⅠの医療機器です。医療用吸引器(吸引源)からのホースと本品の吸引器側ポートを接続することで使用準備が整い、オリーブ型吸引口を患者の鼻孔に接触させることで鼻腔や上咽頭部の鼻汁や喀痰等を吸引することができます。また、本品は同一患者に対して再使用することが可能です。使用後は適切に洗浄することで繰り返しご使用いただくことが可能であるため、医療コストの削減を考慮しつつ新規導入し易いよう材質検討も十分に行いました。さらに、本品にはフックとキャップがあり洗浄後は吸引器のホースに本品のフックを引っかることができ、キャップを閉めることで臨床現場の清潔な環境維持も行うことができます。
従来の喀痰吸引に用いる医療機器と本品の喀痰吸引に対するアプローチは異なり、本品による喀痰吸引では患者の気道粘膜と接触しないため低侵襲であることから気道粘膜損傷や出血といったリスクが軽減することができ、上述した様々な機能を有しているため本品で気道クリアランスの革命を実現します。

カーブジェン株式会社・・・期待賞
■会社概要
事業内容
・ライフサイエンスAIソリューションの開発・提供
・ライフサイエンスプロダクトの開発・提供
・細菌感染症・微生物分野におけるAI・バイオインフォマティクスの研究開発・販売
■製品の特長
・細菌感染症の原因菌種推定と抗菌薬適正使用支援ソフトウェアBiTTE®(ビッテ)
グローバル課題である薬剤耐性(AMR)菌の発生低減を目指すプログラム医療機器です。グラム染色AIが原因菌を高精度で推定(感染症専門医療職に対し非劣性)。薬剤感受性を持つ抗菌薬とスペクトラムスコアやAWaRe分類を提示し、抗菌薬適正使用を支援します。
・尿検体むけ
細菌感染症菌種推定支援AIソフトウェアBiTTE®-Urine (ビッテ ユリン)
医療機器製造販売承認番号 30600BZX00247000
https://carbgem.com/product/bitte-urine/
・血液検体むけ
微生物推定支援AIソフトウェアBiTTE®-iE (ビッテ アイイー)(血液検体むけ)
https://carbgem.com/product/bitte-ie/

ファミリー・サービス・エイコー株式会社・・・努力賞
■会社概要
1971年創業(1976年創立) 資本金1億円 従業員50名
“美と健康、生活が潤う新しい価値スタイルを創造する” ことを活動理念とした「Smarthealth in Naganoプロジェクト(※1)」を展開し、長寿県NAGANOから健康を発信するという思いをカタチにするために、未来に向けて活動し続けております。これまで培った知見を活かし、異分野交流をしながら潜在的なニーズ・課題など様々な状況・環境に寄り添い、解決のお手伝いのために、産学官連携にも積極的に取り組んでおります。 お客様からの改善アイデアや商品に対するご意見・ご要望を真摯に受け止め、速やかに製品改良、また新製品開発のヒントにつなげ、常にお客様に満足していただく事、またお客様の夢の実現のお手伝いをさせていただく事を念頭に考え行動することが、ファミリー・サービス・エイコーの事業方針です。
(※1)創業50周年の節目に掲げたビジョンの一つ。
■製品の特長
緊急時や全身麻酔下、人工呼吸管理等で気道確保し気管挿管を行う際に、素早く簡単に理想のスニッフィングポジション(※2)(挿管し易い体位)が確保できる医療現場で使用するための処置台(枕)である。現在は、簡易的な枕とタオルを用いる場合が多く、患者の体型、状況に応じて試行錯誤による高さの調整が必要で迅速性に課題がある。そこで迅速かつ安全に気管挿管を行うために、短時間で簡単に理想の姿勢が確保できる処置台(枕)を実現した。
技術的な特長として頭部、頚部の昇降は独立したエアバックを設けて、電動ポンプによる独立した送気回路で個別もしくは同時に拡張、収縮できる機構を実現した。
エアバック容量の最適化により高さ変位量を頭部最大約14cm、頚部最大約12.5cmを確保し、最大変位量に約13secで調整できる吸排気能力を持ったポンプと電磁弁を設けた。
(※2) 仰臥位で枕の上に頭をのせ、鼻を突き出す格好で喉頭の視認性が増す喉頭展開のポジション
