2017.03.31
第6回MEDTECイノベーション大賞、第1次審査結果発表!
医療機器の製造・設計において優れた成果を上げた日本企業を表彰する第6回「Medtecイノベーション大賞」の第一次審査結果が明らかになった。
多数の応募企業の中から、厳正な審査の結果、以下の6件の製品・技術が第一次審査を通過した。
クラスⅠ~Ⅲの医療機器が含まれる上、医療ニーズから出発し最新技術や新しいコンセプトを取り入れた製品がノミネートされている。非常にハイレベルな選考になりそうだ。
第二次審査は、Medtec Japan 2017 開催初日〔4月19日(水)〕に、Medtec会場で一次審査を通過した各企業が約10分間のプレゼンテーションをおこない、5分の質疑応答の後、その場で審査員が審査を行い、午後4時頃に結果発表・表彰式を行う予定となっている。
—第一次審査を通過した企業と応募製品及び技術(50音順)—
(1)京都機械工具株式会社:歯科インプラント用トルクレンチ「Newton-1」
自動車や機械の製造・修理では一般的なネジやボルトの締め付けトルク管理の概念を、歯科に持ち込んだ製品。同社(KTC)工具ファンの歯科医からの電話がきっかけとなり、工具メーカーが医療機器開発に挑んだ。内蔵センサによるデジタル表示、高精度が最大の特長だ。
(2)santec株式会社:SS-OCT方式の白内障用眼内計測装置 「ARGOS」
白内障に対する眼内レンズ挿入手術にはレンズの度数計算を行うため眼内計測が必要である。「ARGOS」は光干渉計測の中でも高精度なSS-OCT方式を用いる計測装置で、水晶体混濁が進んだ重度の白内障にも高い測定成功率をもたらす上、全眼球イメージングを可能にしている。
(3)株式会社テムザック技術研究所:生命を感じるシミュレータロボット「mikoto」
母体会社のロボット技術を生かし鳥取大学医学部附属病院シミュレーションセンター等との共同研究で開発した。人体の質感や解剖に近づけるとともに、センサを付け人体の反応を再現、行った手技の評価を可能にする。経鼻・経口気管挿管、経鼻・経口内視鏡検査、喀痰吸引のトレーニングが行える。
(4)株式会社ニットー:医療用ウェアラブルチェア「アルケリス」
内視鏡外科手術医のニーズから生まれた、身に付けたまま座る、歩く、立つ動作を自在に行える装置である。長時間にわたる手術時の医療従事者の負担軽減と、それによる手術の安定性向上を目指している。また、歩行が困難な人の歩行サポートとして福祉機器など他用途への展開も期待される。
(5)株式会社メリテック:医療施設のサイバーセキュリティに最適化した閉域網通信システム「Mesimo」
医療情報のサイバーセキュリティ対策が課題となるなかで、モバイル通信のソフトウェアメーカーが完全閉域網のクラウドシステムを開発した。厚労省のガイドラインなどに準拠したクラウドに専用線で接続することで、情報漏えいや外部からの攻撃の防止を効率的に実現する。
(6)RENGパートナーズ:脊椎固定システム「RENGスパイナルシステム」
脊椎固定手術に用いられるインプラントや器具では外国製が市場を席巻しているなか、“made in Japan”にこだわり、異業種参入を含む中小5社が共同開発した。中小企業連携でクラスⅢを実現したことは注目すべきであり、外国製に劣らない品質の代替品として今後の展開も期待される。
MEDTEC Japanでは、MEDTEC大賞の表彰を通じて、医療機器の製造・設計に取り組む企業を賞賛し後押しする世論を喚起し、企業経営者の皆様にこの分野に取り組むことは賞賛されるべき企業活動であると認識していただける輿論の形成に向けて、医療に関わるすべての関係者に呼びかける「日本の技術を、いのちのために。」運動を支援しております。受賞企業に関する情報は、弊社の編集部門『MEDTEC医療機器』や英文姉妹誌medtechinsider だけでなく、日本の技術をいのちのために委員会からも、健康な生活者、患者と家族、医師と医療研究者、企業、マスコミ、行政、議員他様々な人々に向けて、新聞広告、インターネットの活用、シンポジウム、陳情等様々な方法で広く伝えられます。 MEDTEC大賞の設立・運営にあたっては、日本医療機器産業連合会(JFMDA)の後援を頂いています。
主催:UBM Canon Japan合同会社 後援:日本医療機器産業連合会 協賛:日本の技術をいのちのために委員会/日本医工ものつくりコモンズ